アブストラクト(27巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術術後における終末呼気陽圧呼吸(PEEP)の臨床応用に関する研究―とくに肺循環動態からみた検討―
Subtitle :
Authors : 岡崎俊典, 瀬在幸安
Authors(kana) :
Organization : 日本大学医学部第2外科学教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 2
Page : 135-147
Year/Month : 1979 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術後PEEPを使用した26症例について, 術後早期にPEEP(5cmH2O, 10cmH2O)を短時間使用し, PaO2, PaCO2,A-aDO2 true shuntを測定するとともに, さらにPEEP前PaO2≧100mmHg群, PaO2<100mmHg群, 年齢別に50歳以上群, 49歳以下群に分け, また体外循環時間1時間以内, 1時間から2時間まで, 2時間以上の3群に分けて, 循環動態におよぼす影響, とくに心拍出量, 左房圧, 肺動脈楔入圧の面からPEEPの臨床的意義と有効性について検討し, 下記の結果をえた. 1)PEEP前PaO2低下群では, PEEP 5cmH2OでA-aDO2, true shuntは減少し, PaO2は十分上昇した. 2)50歳以上群では, それ以下の群にくらべPEEP 5cmH2Oのとき, PEEPの効果が大であった. 3)体外循環時間からみると, 2時間以上群でPEEP 5cmH2OのときA-aDO2, true shuntは著明に減少しPaO2は上昇するが, 心拍出量の減少は軽度であった. 4)PEEP 5cmH2Oでは, 肺動脈楔入圧および肺動脈拡張期圧は左房圧とよく相関し, 10cmH2Oで は, 肺動脈楔入圧は90%, 肺動脈拡張期圧は80%の相関をしめした. 5)PEEP使用時, 左房圧および肺動脈楔入圧の減少傾向症例は, 心拍出量の減少を示しPEEP使用に際して注意を要する. 6)PEEP使用後, 肺動脈楔入圧-左房圧較差は減少し, 開心術後の呼吸, 循環管理面でより有用であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : PEEP, 肺内シャント, 開心術, 体外循環, 低拍出性症候群
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