Abstract : |
開心術患者に体外循環開始後30分に200~300ml(4000~6000単位)の精製ハプトグロビンを投与し, 6例においてHp-Hb Complex, 遊離Hp, 遊離Hbの定量を行った. またハプトグロビンの性質よりハプトグロビンのヘモグロビン結合能指数Hemoglobin Binding Capacity Index(HBCI)を考案し, これを用いて検討を行った. HBCIの+1単位は1mg/dlの遊離ヘモグロビンと結合し得る遊離Hpが血漿中に存在し, -1単位は1mgの遊離Hbが血漿中に存在すると定義する. これによれば体外循環開始前のControlではHBCIは81.6±36.5, 体外循環開始後15分では-18.0± 43.5と遊離Hb過剰となり, 精製ハプトグロビン投与後の40分では+101.2±26.5となった. 以後60分では+60±62.0, 80分では+18.8±65.3と漸減した. 以上の結果より測定をつづけた80分までは全体として有効な遊離Hb処理能力を有する遊離Hpが血漿中に存在すると考えられ, 投与量および投与時期が適切であると考えられる. |