Abstract : |
頭痛, 右上肢高血圧を主訴とし入院した10歳男子を精査の結果, 大動脈弓kinkingを伴った左cervical aortic archと診断, kinking部切除および大動脈弓部-下行大動脈の端々吻合術を行い治療目的を達することができた. また現在までにわれわれが集録しえたcervical aortic arch 47例につき発生学的な面より分類を試み, 以下の8種に分類した. L1:正常な分枝状態を示す左cervical aortic arch(RBC.LCC.LS)L2:両側総頚動脈が大動脈から分枝し, 右鎖骨下動脈がaberrantである左cervical aortic arch(RCC, LCC, LS, RS)L3:右腕頭動脈, 左外頚動脈, 左内頚動脈が大動脈から分枝している左cervical aortic arch(RBC, LEC, LIC, LS)L4:右総頚動脈, 左外頚動脈, 左内頚動脈が大動脈から分枝し, 右鎖骨下動脈がaberrantである左cervical aortic arch(RCC, LEC, LIC, LS, RS)R1:L1の鏡像(LBC, RCC, RS)R2:L2の鏡像(LCC, RCC, RS, LS)R3:L3の鏡像(LBC, REC, RIC, RS)R4:L4の鏡像(LCC, REC, RIC, RS, LS)この分類に集録文献例をあてはめてみるとL1 16例(自験例を含む), L2 1例(亜型), L3 0例, L4 1例, R1 1例, R2 16例(亜型1例を含む), R3 0例:R4 8例であり, 記載不十分のため分類不能であった5例を除き完全に分類できた. 本分類は発生学的な面より本疾患を理解する上で便利な方法と考える. |