アブストラクト(27巻3号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 乳児重複大動脈弓の1手術例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 岸本英文, 中田健, 松木英世, 三田紀行, 小林芳夫, 武田義弘1), 妙中信之2), 小原秀一3) |
Authors(kana) : | |
Organization : | 大阪府立病院心疾患専門診療科, 1)大阪府立病院小児科, 2)大阪府立病院麻酔科, 3)大阪府立病院放射線診断科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 27 |
Number : | 3 |
Page : | 384-390 |
Year/Month : | 1979 / 3 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 重複大動脈弓に対する手術報告例は本邦では少なく17例にすぎない. 症例は, 喘鳴, チアノーゼを主訴とする2ヵ月の男児で, 左開胸により左動脈管靱帯の切断, 左側大動脈弓の切離を行った. 術後食道の圧迫症状は消失したが, 気管の狭窄状態が残存し, 術後1年目の現在気管カニューレを抜去することができない状態である. 本邦手術報告例につき検討を加えた. 本症は新生児, 乳児期より気管および食道の圧迫症状が出現し, 早期に手術を必要とするものが多い. 術後は劇的に呼吸障害の改善がみられることが多いが, 本症例のように, 気管軟骨の弱体化による気管の狭窄状態が長期間にわたって残存することがあり, 今後の課題である. 「はじめに」新生児, 乳児期において, 特徴的な気管・食道の圧迫症状をきたすものの代表的なものに血管輪がある. なかでも重複大動脈弓は, 生後より吸気時, 呼気時にわたる喘鳴と努力性呼吸を行うようになるので, 早期に外科的治療が必要となることが多いとされている. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 重複大動脈弓, 喘鳴, 術後気道狭窄 |