Abstract : |
開心術後急性期, 血行動態が比較的安定した時点で心房ペーシングによる頻脈負荷を, 僧帽弁病変のないASD・VSD群11例, AVR(S・E 2320 9A)群5例, 僧帽帽弁手術を行ったOMC群17例, MVR(S・E 6500 3M)群8例, Hancock生体弁(31mmφ2例, 29mmφ1例)置換群3例, MAP群10例, 計44例に行い血行動態推移から心機能ならびに僧帽弁機能を検討した. ASD・VSD群のCIは120/minまで負荷前値以上で100/min時最高値がえられた. また, LAMP, PAEDPには有意変化がみられなかった. OMC群では130/minまでCIは負荷前値以上であったが, 100/minでLAMP, PAEDPの有意上昇をみとめた. MAP群においてはペーシング開始と同時にCI低下, LAMP, PAEDP上昇をみとめ, 対象群中最も頻脈負荷の影響をうけやすく, MAP手術操作時狭窄状にすることが原因と考えられた. Hancock生体弁は頻脈によってもCI変化が少なく, また, 130/minでLAMP有意上昇をみたにすぎず, 血行動態的にすぐれていることをしめしたが, S.E disc弁は110/min時LAMP有意上昇, CI低下をみ, また, SE 2320 ball弁よるAVR群ではペーシング開始と同時にLAMPは上昇し, CIは低下した. 僧帽弁病変のないAVR群の血行動態も頻脈負荷に著しく影響されることがわかった. |