アブストラクト(27巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 粟粒結核に合併した収縮性心膜炎の2例
Subtitle : 症例
Authors : 井野隆史, 長谷川嗣夫, 岡崎宜夫*, 椎名明**, 小池盛雄***, 関根今生****, 森本和大****, 森島明****, 田島洋*****
Authors(kana) :
Organization : 自治医科大学胸部外科, *自治医科大学呼吸器内科, **自治医科大学循環器内科, ***自治医科大学病理, ****国立中野病院循環器科, *****国立中野病院病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 7
Page : 1066-1072
Year/Month : 1979 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 結核性心膜炎の多くは, 気管, 気管支リンパ節からリンパ行性に進展し, 血行性に進展するものはまれと考えられている. 最近経験した粟粒結核に合併した収縮性心膜炎の2症例を報告し, 収縮性心膜炎の原因と結核由来の頻度, 滲出性心膜炎から収縮性心膜炎への移行, 収縮性心膜炎の診断, 手術, および術後の心機能回復の遅延について考察を行った. これら2症例の共通した臨床像は以下のようである. 発熱,心陰影拡大を伴う滲出性心膜炎の症状で始まり, 抗生剤に抵抗し, 起炎菌は同定されず, 約3ヵ月後に肺野の粟粒陰影が出現し, 結核性心膜炎と考え, 抗結核剤を投与したが比較的早期に収縮性心膜炎へと移行し, 両心不全となり心膜切除術を要した. 1例では, 頚部リンパ節および胃液より結核菌が培養され, 他の1例では, 骨髄の生検で結核結節を認め, 粟粒結核の組織学的診断を得ている. 2例とも切除した心膜に, 結核結節を認めたが, 結核菌は培養されなかった. 「はじめに」結核性心膜炎は急性心膜炎全体の約10%1)にみられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 収縮性心膜炎, 粟粒結核, 心膜切除術
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