Title : |
心筋梗塞後の僧帽弁閉鎖不全症:術前, 後のIABP使用, 僧帽弁, 弁輪形成術とA-Cバイパス術併用による一治験例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
北村惣一郎, 森透, 広瀬一, 中埜粛, 井原勝彦**, 河内寛治, 村田紘崇, 榊原哲夫, 川本知佳, 扇谷信久*, 川島康生 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
大阪大学医学部第1外科, *桜橋渡辺病院内科, **桜橋渡辺病院外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
27 |
Number : |
7 |
Page : |
1073-1078 |
Year/Month : |
1979 / 7 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
心筋梗塞後に発生した後尖の腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全と狭心痛を有する51歳男子に対し梗塞後9カ月目に僧帽弁, 弁輪形成術と2本のA-Cバイパス術を行い極めて良好な臨床所見の改善をみた. 本例では術前, 中, 後を通じ予防的にIABPを使用した. 術前のEFは0.34, CIは2.071/min/m2であった. 術後2ヵ月目の検査でEFは0.40, CIは3.671/min/m2と改善, 僧帽弁逆流率は術前61%から40%に減少した. 移植された2本のバイパスグラフトはともに良好に開存していた. いまだ僧帽弁逆流の残存を認めるが狭心痛は消失し臨床所見は術前NYHA 3度より1度にまで回復した. 本梗塞合併症に対する手術成績はいまだ不良であり早期成績を改善する手段として術前, 中, 後を通じてのIABPの予防的使用(僧帽弁逆流停止による後負荷増加に対処する目的と冠血流グラフト血流維持の目的)と遠隔期成績を改善する因子としてできるだけ完全な冠血行再建術の併用を強調した. また心筋梗塞後の僧帽弁閉鎖不全症に対し弁, 弁輪形成術とパイパスグラフト移植術を併用した本邦成功例はいまだみられないようである. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
梗塞後僧帽弁閉鎖不全症, IABP, A-Cバイパス, 僧帽弁, 弁輪形成術, 腱索断裂 |