アブストラクト(27巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : β受容体刺激剤の血行動態ならびに心筋代謝におよぼす影響―とくにDobutamine投与時のDPTI×CaO2/TTIと心筋代謝からの検討
Subtitle :
Authors : 山田崇之, 宮本尚, 浅野献一
Authors(kana) :
Organization : 東京医科歯科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 8
Page : 1125-1131
Year/Month : 1979 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Dobutamine 5, 10μg/kg/min投与時の血行動態ならびに心筋代謝におよぼす影響を, 開心術後急性期の14例で検討した. 心係数は2.53±0.63l/min/m2(mean±S.D.)から5μg/kg/min時3.07±0.58l/min/m2,10μg/kg/min時3.14±0.70l/min/m2と有意(p<0.05)に増加したが, 1回心拍出係数は僅かに減少した. 心拍数は80.7±11.8/minから5μg/kg/min時94.7±32.6/minと増加したが有意でなく, 10μg/kg/min時119.1±31.0(P<0.01)へと増加し, DPTI/TTIは投与前値の1.29±0.29から1.03±0.47, 1.02±0.5へと低下した. 心筋乳酸摂取率は6.59±234.4%から5μg/kg/min時8.54±9.43%, 10μg/kg/min時14.02±15.29%へと改善傾向をみ, 心筋酸素摂縫取は53.4±11.7%から51.4±10.8%, 47.9±16.1%へと低下傾向がみられ, Dobutamineは著しい心筋酸素消費率の増大をみることなく心筋代謝, 心機能の改善をもたらした. しかしながら, 頻脈に伴うDPTI/TTI低下は心外膜下層/心内膜下層の血流分布異常をもたらし, 冠循環は心内膜下層を迂回し, 阻血をもたらすことが, 心筋酸素摂取率低下, 冠状静脈洞血酸素含量増加, 心筋乳酸摂取率低下など心筋代謝が嫌気性に移行することによってしめされ, Buckbergらが実験的に解明したDPTI/TTIの意義を冠状静脈洞カニュレーション法によるDobutamine投与時の心筋代謝の検索から明確にしえた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 血行動態, 心筋代謝, DPTI×CaO2/TTI, Dobutamine, 冠状静脈洞カニュレーション法
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