アブストラクト(27巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁狭窄症における弁病変の評価と手術術式の選択に対するUCGの意義
Subtitle :
Authors : 庄村赤裸, 草川実
Authors(kana) :
Organization : 三重大学医学部胸部外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 8
Page : 1159-1182
Year/Month : 1979 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : UCGを用いて, 僧帽弁狭窄症における僧帽弁の器質的変化の評価を正確に行い, 術前における術式の選択を適確に行うために本研究を行った. 三重大学胸部外科で手術された純型僧帽弁狭窄症50例を研究対象とした. また, UCG計測上の対照として, 健常者80例, 僧帽弁閉鎖不全症9例, 僧帽弁狭窄症兼閉鎖不全症14例も研究対象とした. 手術所見による僧帽弁の器質的変化の評価はSellors分類に従って行った. 僧帽弁のUCG所見は, 前尖エコーの波型と, 前尖, 後尖, 弁下組織のエコー輝度によって分析し, Sellors分類との関係を検討した. そして, Sellors I型,II型, III型に特徴的なUCG所見を, それぞれエコー分類I型, II型, III型とした. 僧帽弁の可動性を示す指標として僧帽弁前尖振幅(D-Eamplitude, AMPと略す)を用いた. エコー分類とAMPを組合わせることによって術式の選択を試みた. この試みの妥当性をみるために, 術後遠隔成績を検討した. その結果, 次のごとく術式の選択を行いうるという結論を得た, 1)エコー分類I型で, AMP≧20mmのものは閉鎖式交連切開術の適応である. 2)エコー分類I型で, 20mm>AMP>15mm, およびエコー分類II型で, AMP>15mmのものは直視下交連切開術の適応である. 3)エコー分類II型で, AMP≦15mmのものは直視下交連切開術の適応であるが, 弁置換を必要とするものもある. 4)エコー分類III型のものは弁置換の適応である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : UCG, 僧帽弁狭窄症, 僧帽弁前尖振幅, 拡張期弁後退速度, 左房径
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