アブストラクト(27巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心臓を圧迫した巨大胸線嚢腫の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 乃木道男, 横須賀達也, 西山清敬
Authors(kana) :
Organization : 国立横浜病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 8
Page : 1201-1205
Year/Month : 1979 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 重量2,290gの巨大な胸腺嚢腫を経験したので報告する. 胸腺嚢腫は胸腺の良性腫瘍で, 発生頻度は比較的低く, 大きさも通常はレモン大ないし手拳大である. 症例は53歳, 女性で胸部圧迫感, 息切れ, 動悸など腫瘍による圧迫症状があった. 患者は10年以上前に心疾患と診断され, 以後, 種々の治療をうけていた. 当院入院後, 胸部X線撮影, 超音波検査, 心血管造影法などを行った後, 心膜嚢腫と診断し手術を行った. 術後の病理組織検査の結果, 胸腺嚢腫であることが判明した. 摘出手術は容易に行われ, 術後経過は順調である. 臨床症状, 診断などの点で興味ある症例と考えられる. 「緒言」胸腺嚢腫は胸腺の良性腫瘍であり, 大きさは通常レモン大ないし手拳大である. しかし, 時には, かなり大きな腫瘍の報告もみられる. われわれは縦隔内前方に大きく広がって心臓, 肺を圧迫した重量2kg以上の巨大な胸腺嚢腫を経験し, 剔出手術を行い良好な結果を得たので報告する. この症例は長い年月, 心臓病と誤診されていた興味ある症例である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 巨大胸腺嚢腫, 心肺圧迫症状, 側臥位X線撮影
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