Authors : |
坂内五郎, 安斉徹男, 川辺昌道, 小林剛一, 谷口棟一郎, 尾内弘次, 飯島哲夫, 桜井達夫, 家里裕, 藤田達士*, 小川竜* |
Abstract : |
昭和50年1月より昭和53年9月まで51例について表面冷却・体外循環併用超低体温法による開心術を施行した. 年齢は1歳より12歳(平均4.9歳), 体重9kgより26kg(平均15.2kg)であった. 疾患別ではTF 22例, VSD+PH 13例, TAPVR 2例, TCRV 2例, partial A-V canal 2例, VSD+AI 2例, ASD+MI 1例, VSD 1例, VSD+PDA+PH 1例, coarctation complex 1例, MI 1例, DORV 1例, 単心室+TGA 1例である. 麻酔はNLA, 笑気, 筋弛緩剤を主体とし, 表面冷却前にPOB 1mg/kgを点滴静注した. 直腸温24℃前後で循環冷却を開始し, 直腸温17℃前後で血流を遮断し心停止下に開心術を施行した. 循環停止時間は35分より96分(平均53分)であった. 51例中死亡10例で死亡率19.6%である. 死亡の内訳はTF 4例, VSD+PH 2例, VSD+PDA+PH 1例, 先天性MI 1例, DORV 1例, 単心室+TGA 1例である. 生存例41例中術後意識障害を来したのは1例もなかった. 本法は無血,静止野で手術でき, 乳幼児期の重症先天性心疾患の開心術の補助手池として優れた方法である. |