アブストラクト(27巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術後早期における血清CPKおよびLDHアイソザイムの変動に関する研究
Subtitle :
Authors : 木谷正樹, 能登佐
Authors(kana) :
Organization : 石川県立中央病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 9
Page : 1312-1318
Year/Month : 1979 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術中における心筋保護の観点から術後早期の血清CPKならびにLDHアイソザイムの変動について検討した. 症例をI. バイパス併用超低体温群, II. 人工心肺群, III. 単純超低体温群, IV. PDA群に分類し, 術前・術後のCPKおよびLDHアイソザイムを測定した. I, II群についてはさらに. 大動脈遮断時間および心室切開による影響について比較検討した. その結果, 1)TCPKおよびMM-CPKは各群とも術直後より急増し24時間後にピークに達し以後急減する. 2)MB-CPKは各群とも術直後から6時間にかけてピークに達し24時間後には正常に復する. 各群ともピーク値は50~70I.U/Lのことが多いが大動脈遮断時間が60分をこえるバイパス併用群では100~150I.U/Lをこすことがある. 心室切開(+)群の方が心室切開(-)群よりも高値を示す. 3)LDH5分画は各群とも術直後から24時間にかけて著しく増加し, (LDH1+LDH2)分画は相対的減少を示す. 大動脈遮断時間が60分をこえるバイパス併用群ではLDH5分画の増加は軽度で, (LDH1+LDH2)分画の減少はみられない. 心室切開(-)群の方が心室切開(+)群よりもLDH5分画の増加が著しい. 以上の結果から大動脈遮断時間が60~90分をこえるバイパス併用群をのぞけば, 各群ともMB-CPKおよび(LDH1+LDH2)分画の変動からみて術中の心筋保護という点では充分安全といえよう.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : バイパス併用超低体温法, 心筋保護, MB-CPK, (LDH1+LDH2)分画, LDH5分画
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