アブストラクト(27巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心・大血管奇型を伴う異型左鎖骨下動脈の乳児期2手術例
Subtitle : 症例
Authors : 野々山明, 笠原憲二, 香川輝正, 尼子明久*, 茂幾俊武**, 伊東政敏**
Authors(kana) :
Organization : 関西医科大学胸部外科, *関西医科大学小児科, **倉敷中央病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 9
Page : 1319-1325
Year/Month : 1979 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 血管輪のうち, 右側大動脈弓, 右下行大動脈に左異型鎖骨下動脈および左動脈管(または動脈靱帯)によるもの, すなわちStewartおよびEdwards分類のIIIB1型の報告はきわめて少なく, 本邦文献上には1歳未満例での手術報告はとくに少ない. しかも, このような血管輪に大動脈縮窄症や修正大血管転位症などの心・大血管奇型を合併した報告も本邦ではみられていない. 私たちは最近, 大動脈縮窄症を合併した6ヵ月男児, 修正大血管転位症を合併した3ヵ月女児の2例の右側大動脈弓および左異型鎖骨下動脈に対して, それぞれ, 動脈靱帯, 動脈管の切離を行って, 術前著明な気管・食道圧迫症状を寛快せしめえた. 異型鎖骨下動脈では, 気管, 食道圧迫症状は, 合併心奇型や気道感染などが関与する可能性が高いという意見や乳児期では症状が比較的軽徴であることが多いので, 原則的には手術を必要としないという主張などもみられるが, 私たちの2例とも左異型鎖骨下動脈により血管輪が直接的に気管および食道に機械的狭窄を生ずるように働き, 血管輪解除によって症状改善をみており, 明らかに早期手術が有効であったと思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 血管輪, 異型左鎖骨下動脈, 大動脈縮窄症, 修正大血管転位症
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