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並列心耳を伴うtype IIbの三尖弁閉鎖症の11歳女児に対して機能的根治手術を施行した. 並列心耳と大血管転位のため心臓は特異な形態を呈し, 右心耳は大血管の左側にあって左心耳と並列の状態にあり, 左肺動脈と相接していた. ASD閉鎖および肺動脈主幹部結紮ののち, 右心耳-肺動脈直接吻合を行った. その結果右心系には全く弁が存在しない状態であるにもかかわらず, 術後経過はきわめて順調であった. 術後5ヵ月目に行われた右心カテでは右房圧は26～10（平均）mmHgと上昇し, 右室化したa波を示していた. シネアンギオでは右房→下大静脈, 肺動脈→右心耳への軽度の逆流をみとめるものの, 右房の収縮は良好で血行動態的に満足すべき状態にある. しかし持続する高い静脈圧が将来心房性不整脈や肝機能障害の発現に及ぼす影響について今後長期間にわたって経過を観察していく必要があるであろう. 並列心耳を伴い特異な形態を示す三尖弁閉鎖症に対して, 右心系に全く弁を挿入することなく, 右心耳-肺動脈直接吻合による右心バイパア手術を行い, 良好な結果をえたので術後の血行動態を中心として検討を加えた. |
