アブストラクト(27巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 慢性腎不全のため透析に依存していた僧帽弁再狭窄症例に対する開心交連切開術による治験
Subtitle :
Authors : 松木英世, 小林芳夫, 中田健, 飯田喜俊*, 白井大祿*
Authors(kana) :
Organization : 大阪府立病院心臓センター, *大阪府立病院腎疾患センター
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 10
Page : 1460-1464
Year/Month : 1979 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 透析依存の慢性腎不全患者(34歳, 男)で僧帽弁再狭窄に対して開心術を施行し救命しえた症例を報告した. 昭和38年, 他病院で閉鎖式僧帽弁交連切開術をうけたが, 10年後, 僧帽弁再狭窄のため心不全症状が増強するとともに慢性腎不全となり, 昭和50年乏尿から無尿となったため腹膜潅流に依存した入院生活が続いた. 当院へ転院後, 腹膜潅流を引きつづき行ったが, 間もなく腹膜炎を併発したため血液透析に切り換えた. 手術前は体液組成を可及的正常範囲に近づけるため10日間に8回, 1回4時間の血液透析を行い, 透析前値でクレアチニン6.7mg/dl, BUN 36mg/dlまで低下せしめた. 昭和52年(1977年)2月16日, 人工心肺下に, 僧帽弁交連切開術兼三尖弁輪縫縮術を行い, 術後急性期は腹膜潅流とGI療法で管理しえ, 術後7日目から血液透析に移行し, 術後2年, 通院による週3回の透析で平穏な日常生活を営んでいる. われわれは透析依存の慢性腎不全患者が開心術の非適応ではないことを経験した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 慢性腎不全, 血液透析, 腹膜潅流, 開心術, 僧帽弁交連切開術
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