アブストラクト(27巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 頻発する上室性不整脈を誘発した心臓脂肪腫の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 成味純, 竹内靖夫, 辻隆之, 井上健治, 城間賢二, 徳地孝一, 小山雄二, 吉川哲夫, 落雅美, 小林洋, 金子秀実, 須磨幸蔵
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学第2病院循環器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 10
Page : 1471-1475
Year/Month : 1979 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 極めて稀な心臓脂肪腫の1治験例を報告する. 症例は10歳女児で生来健康であったが, 動悸, 不整脈, および労作時呼吸困難を訴え来院した. 胸部単純写真で心陰影の左縁に沿って腫瘍陰影をみとめた. 心電図上ではwandering pacemakerを示しておりR-R間隔は0.48秒~1.08秒の間を変動し, 頻発する上室性不整脈が認められた. 超音波エコー図では腫瘍をとらえることはできなかったが, 選択的冠状動脈造影にて回旋枝の前下方への圧排伸展をみとめ心嚢内に発育する心臓腫瘍と診断した. C-T scanningにては縦隔腫瘍との診断であった. 手術は左第4肋間で開胸して行われ体外循環下に9×7×6cm, 115gの左房壁より生じた脂肪腫を全摘した. 術後経過は良好で心電図上も正常洞調律となり主訴は消失した. 本例は文献上手術的に摘出し得た心臓脂肪腫の第6例目であり文献学的考察を加えた. 「はじめに」心臓の原発性腫瘍は比較的まれな疾患でありなかでも心臓脂肪腫の報告は極めて少ない. 最近, われわれは左房壁より心嚢内に発育した心臓脂肪腫を体外循環下に全摘し良好な結果を得たので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心臓脂肪腫, wandering pacemaker, 選択的冠状動脈造影
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