アブストラクト(27巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 乳頭筋切開の実験的研究
Subtitle :
Authors : 鯉江久昭, 楠原健嗣
Authors(kana) :
Organization : 天理よろづ相談所病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 11
Page : 1485-1490
Year/Month : 1979 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 34頭の雑種犬を使用し, 左室乳頭筋縦切開を行った. 手術生存した15頭を術後2週間から5ヵ月後に犠死解剖し, 切開乳頭筋の変化を検討した. その結果, 犠死前に行った色素あるいは冷水の左室注入, 左房検出試験で, 僧帽弁閉鎖不全の発生を疑わしめた症例はなかった. 剖検でほとんどすべての症例で乳頭筋尖端部の分裂や基部の溝状のくぼみが認められ, 切開深部は癒合していた. 前側方乳頭筋15コ, 後内方乳頭筋6コ計21コの切開乳頭筋中17コで搬痕組織は切開部位に限局していた. 残りの4コの乳頭筋では, 切開によりわけられた乳頭筋に変化が認められており, その3コでは切開の技術的な不適切さが原因と考えられ, 1コでは原因不明であったが, この例では筋変性が乳頭筋尖端に限局して軽度であった. このような結果は, 乳頭筋縦切開の臨床的実施にかなりの支持を与えるとともに, この切開手技を慎重に実施する必要性があることを再認識せしめるものである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 乳頭筋切開, 僧帽弁手術, 乳頭筋変性, 僧帽弁狭窄症
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