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人工弁置換症例39例を対象にイソプロテレノール（ISP）とドーパミン（DOA）を使用し, 血圧の変動, 心拍数, 中心静脈圧, 尿量について負荷前値（control）と投与1時間, 6時間後の諸パラメータを比較し以下の結果を得た. 対象は, ISP投与20例（内死亡5例）, DOA投与19例（内死亡4例）の計39例である. I. ISP投与 （1）生存群血圧は対照値（ICU収容直後）に比し投与1時間後で5.6％の増加, 心拍数は5.2％の減少, 中心静脈圧は1.6％の上昇をみた. 又6時間後には, 血圧は2％減少, 心拍数は14％減少, 中心静脈圧は3％低下した. （2）死亡群血圧は対照値に比し3.5％減少, 心拍数は8.2％増加, 中心静脈圧は8.6％上昇していた. 6時間後には血圧は9％減少, 心拍数は不変, 中心静脈圧は12％上昇した. II. DOA投与症例 （1）生存群血圧は2％増加, 心拍数は17％増加, 中心静脈圧は9％の低下を示した. 6時間後血圧は5％低下し, 心拍数はかわらず, 中心静脈圧は30％の低下を示した. （2）死亡群血圧は逆に17％の低下をきたし, 心拍数は37％増加, 中心静脈圧は9％上昇した. 6時間後には血圧は24％の低下, 心拍数は48％増加, 中心静脈圧は7％上昇していた. 時間尿については, ISP, DOA生存群では体重当たり1.62ml, 2.19mlで, 死亡群ではおのおの0.91ml, 1.91mlと低下していた. 9例の死亡原因はLOSと考えられ, 体外循環時間が2時間以上の症例での死亡率は30％であるが, 2時間以内では16％と, その影響が明らかであった. またAnoxic arrestもLOSの要因と考えられた. 以上よりISP, DOAとも死亡群では術直後より血圧の下降, 心拍数の増加, 中心静脈圧の上昇傾向がうかがわれ, このような症例では, すでに術直後よりLOSの状態を考慮し注意深い術後管理が肝要と思われる. |
