アブストラクト（27巻11号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 上行大動脈空気抜き部位より発生した仮性大動脈瘤の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 笠倉貞一, 長瀬英義, 小松寿, 亀谷寿彦 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 東邦大学第1外科学 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 27 |
| Number ： | 11 |
| Page ： | 1625-1630 |
| Year/Month ： | 1979 / 11 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 52歳男性. 僧帽弁狭窄症の診断にて, 直視下交連切開術を行う.術後早期より, 喘息の重積発作を起こし, 気管切開を行う. その後正中切開創が緑膿菌により汚染され, 縦隔洞炎を合併, さらに感染巣に拍動性の膨隆を触知するようになる. 腫瘤は急速に発育し, 突然大出血を来たしたが, 幸いタンポンによる止血ができ, 大動脈造影にて術中に行った上行大動脈空気抜き部位より発生した仮性大動脈瘤を診断し, 手術を行う. 術後は全身状態の改善とともに正中創部も良好な肉芽を形成するに至ったが, 約3カ月後再び拍動性隆起を認め, 仮性大動脈瘤再発の診断で再手術を余儀なくされた. 直腸温25℃で循環停止, 大動脈瘤基底部は直径約2.5cmあり, 上行大動脈と交通しており, 欠損孔にテフロンパッチを装着するも, 術後第10病日創部より再び大量出血し死亡した. 術中における, 空気抜き部位より発生した仮性大動脈瘤の症例は少なく, その致命率も高く, 修復技術も難しい. また仮性大動脈瘤の原因にも色々あるが, われわれの症例は緑膿菌感染が上行大動脈前避に及んだためと考えている. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 仮性大動脈瘤, 心臓手術後合併症, 大動脈造影 |
