Abstract : |
気管支動脈側副血行路の発達した2例のファロー四徴症根治手術で, 1例には左開胸により, 他の1例にはtranscatheter embolizationによって, いずれも, 予め気管支動脈側副血行路を処理してから, 心内修復にうつり, 良好な結果を得た. transcatheter embolizationを使った気管支動脈側副血行の遮断は, この手技の新しい臨床応用である. 気管支動脈側副血行の解剖と形態を, 血管造影により検討し, 塞栓材料を選ぶことにより肺塞栓を起すことなく, 血行遮断を行うことができる. また大腿動静脈の露出を行えば, embolizationによるPaO2低下時にも直ちに補助循環を開始することができ, そのまま根治手術にうつれる. さらに, この処置自体の手術侵しゅうは小さく, 局麻下で, 仰臥位にて, 透視しながら行うため, オリエンテーションがつきやすく, 容易に, 確実に目的の血管の血行遮断が行える. 以上transcatheter embolizationの安全性, 有用性についてのべ, 開胸による血行遮断に比べ, 多くの利点を有する方法であることを報告した. |