アブストラクト(27巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Marfan症候群における大動脈および弁膜疾患の外科的治療
Subtitle :
Authors : 西川邦, 竹内慶治, 宮崎泰弘, 田中邦子
Authors(kana) :
Organization : 国立埼玉病院心臓血管胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 12
Page : 1746-1755
Year/Month : 1979 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : われわれは, Marfan症候群に心血管系の病変を合併した4症例を経験し, 外科的治療を行い良好な結果をえた. そして, それぞれ病態が異なる臨床症状と手術所見を示したので, 各症例を紹介し若干の考察を加えて報告した. 年齢は16歳~45歳, 男性は1例, 女性は3例である. 上行大動脈瘤に大動脈弁閉鎖不全(AR)を合併したものが3例, 僧帽弁閉鎖不全(MR)を示したものが1例である. 上行大動脈瘤は, いずれもDeBakeyII型解離性大動脈瘤で, 1例は瘤切除と大動脈弁置換術(AVR)を, 2例はBentall術式を行った. Bentall法を施行した1例は, 32歳の女性で, 3年前に腹部大動脈瘤にて人工血管置換術を行っている. 術前細菌性心内膜炎(SBE)を併発したものは2例ある. そのうち1例は, 僧帽弁腱索の断裂をきたし, SBE活動期に僧帽弁置換術(MVR)を行った16歳の症例で, 病理所見で, 切除弁にグラム陽性球菌の菌塊と酸性ムコ多糖の蓄積を認めた. 症例はいずれも心不全の状態で, うち2例は加療中にかえって心不全が増悪したため, 急いで手術を行った. 術後経過は, 1年~4年半でいずれも健在である. しかし瘤切除端々吻合を行った1例は, 3年後の血管造影でValsalva洞の拡大が, 術直後より若干増大している. 病理所見では, 大動脈壁は, 全例解離と嚢胞状中膜壊死の所見で著明な酸性ムコ多糖の蓄積があり, 弁は浮腫状肥厚を示していた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Marfan症候群, 解離性大動脈瘤, 腹部大動脈瘤, Bentall手術, 細菌性心内膜炎
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