| Title ： |
先天性unusual type大動脈縮窄症の1手術例 |
| Subtitle ： |
症例 |
| Authors ： |
志熊粛, 佐々木進次郎, 黒田克彦, 花井勝義, 井上隆夫, 岸田尚夫, 武内敦郎, 近藤邦彦*, 貴島範彦*, 関一郎* |
| Authors（kana） ： |
|
| Organization ： |
大阪医科大学胸部外科, *大阪医科大学第1内科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
27 |
| Number ： |
12 |
| Page ： |
1770-1776 |
| Year/Month ： |
1979 / 12 |
| Article ： |
報告 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
大動脈縮窄症の発生頻度は低くはないが他の心内奇型を伴わない成人の先天性unusual type縮窄症（Edwards分類による）はきわめて稀と思われる. われわれは最近36歳の男性で症状の著明な本症の手術例を経験した. 主訴は運動時および長時間起立時の両下肢脱力感と全身倦怠感, および後頭部から右肩にかけての熱感で, 右上肢と他肢との血圧差が著明であり, 胸部レ線ではaortic knobと右側でのribnotchingがみられた. 心カテーテル検査では, 左室・上行大動脈の高血圧と縮窄部より末梢の低血圧が明らかであった. 大動脈造影所見では, 上行大動脈と大動脈弓から分枝する右側の各動脈の拡張, 左総頚動脈と左鎖骨下動脈との間の狭窄, 左鎖骨下動脈の狭小化と下行大動脈の発育不全が認められた. 手術は胸骨および上腹部正中切開によりtemporary long external bypassを使用しながら, 上行大動脈-腹腔動脈分枝部中枢側腹部大動脈間に直径10mm.長さ50cmのknitted Dacron人工血管植え込み術を施行した. 術後経過は良好で症状は完全に消失し, 術後の大動脈造影所見でもgraftのpatencyは良好であった. 成人の先天性unusual type大動脈縮窄症は稀であり, またこれに対して上行大動脈-腹部大動脈間bypass造設術が行われた例も少ないと考えられる. 本術式は解剖学的根治術の難渋が予想される種々の胸部大動脈疾患に対して, 少ない侵襲で著明な効果が得られるという利点を持ち, 今後もこの術式による適応の拡大が期待される. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
先天性unusual type大動脈縮窄症, temporary long external bypass, 上行大動脈-腹部大動脈bypass造設術 |
