アブストラクト(27巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 仮性左心室瘤の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 数井暉久, 横山秀雄, 湯川元資, 田中信行, 小松作蔵
Authors(kana) :
Organization : 札幌医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 12
Page : 1786-1793
Year/Month : 1979 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 仮性左心室瘤は非常にまれな疾患で, かつその診断は困難とされているが, 二次破裂の危険性が高いことから外科治療の絶対的適応で, その早期診断が重要であるとされている. 62歳, 男性, 前胸部圧迫感を主訴とし, 胸部X線写真上で異常陰影を呈した症例に対してRI心アンジオグラム, CTスキャンおよび選択的左室造影などで術前に仮性左心室瘤と診断し, 体外循環下に仮性左心室瘤を切除し良好な結果を得たので報告し, あわせて本症の病態, 病因, 診断, 外科治療について若干の検討を行った. 「はじめに」仮性左心室瘤は心室壁脆弱部の破裂による心嚢内出血が, それ以前に存在していた癒着性心嚢炎により限局化されることで心タンポナーデの発生をまぬがれ, 慢性進行性に経過している一病態と考えられる. このように稀有な条件下で初めて成立する疾患であるため過去の報告例はきわめて少なく, 心筋硬塞後の本症は内外の文献上42例, 本邦では4例をみるにすぎず1)~6), またこのうちでも術前に診断し, 外科治療を施行しえたのはきわめて稀である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 仮性左心室瘤, 心筋破裂, CTスキャン, RI心アンジオグラム, 選択的左室造影
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