| Title ： |
巨大血栓を伴う梗塞後左室瘤の手術治験例―興味深い造影所見― |
| Subtitle ： |
症例 |
| Authors ： |
中江世明, 朝倉禎二, 遠藤真弘, 林久恵, 和田寿郎 |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
東京女子医科大学日本心臓血圧研究所外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
28 |
| Number ： |
1 |
| Page ： |
145-153 |
| Year/Month ： |
1980 / 1 |
| Article ： |
報告 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
心筋梗塞後の左室瘤の血行動態は主にasynergyの範囲と相関するが, 潜在性の心不全を有するものに左室瘤内腔が大量の壁在血栓により占有され心室内容積の拡大が防止されるものがありこれをsilent left ventricular aneurysmと呼ぶ. 患者は前側壁心筋梗塞を有する52歳の男子で, 心室性頻拍を繰り返した. 左室造影にて心尖部方向への造影剤の途絶と心室下方に憩室様陰影を認めた. 本症例は手術時に大量血栓を有する左室瘤と診断したが, 本症の臨床像, 左室造影所見は極めて興味深いので最近の文献を含めて報告する. 「はじめに」心筋梗塞慢性期の左心機能は, 主として不共動収縮によるが, akinetic areaの範囲や左室容積の拡大による駆出率の低下, 左室終末拡張容積（LVEDV）の増加などから制限を受ける. 顕性の心不全を示さない場合でもasynergyが左室表面積の25-35％を越えると左心機能予備力が減少し潜在性の復不全を持つものもある1). 広範なasynergyや左室瘤の患者のなかに稀れに大量の血栓により心室内容積の拡大が防止されて不共動収縮部の切除を受けたものと似た効果を呈することがあり, これを, silent ventricular aneurysmと呼ぶ2). |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
左室瘤, 血栓閉塞, 左室造影, silent ventricular aneurysm |
