アブストラクト(28巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺内奇形腫の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 清水信義, 荻野健次, 陳鋼民, 岡崎哲郎, 和田豊治, 田中聰, 寺本滋
Authors(kana) :
Organization : 岡山大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 2
Page : 331-335
Year/Month : 1980 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 奇形腫は身体の各部位に発生するが, 肺内に原発する奇形腫はきわめて稀であり, その手術報告は少ない. われわれは最近53歳の女性で, 血痰を主訴として来院し手術により肺内原発の奇形腫と判明した症例を治験したので, これまでの内外の症例を集計し若干の文献的考察を加えて報告した. 症例は53歳の主婦で, 約4年前から血痰と発熱を繰返し, 胸部レ線写真で異常陰影を指摘され, 喀痰検査, 気管支ファイバーなどの検査を受け悪性所見を認めず経過を観察されていた. 入院1ヵ月前に多量の喀血があり, レ線検査で腫瘤陰影を認めたため, 右上葉切除術を施行した. 右上葉前上葉区に5×4×3cmの嚢腫があり, その中に多数の毛髪を含み, 嚢腫壁から2.5×1.5cmの灰白色のポリープ状の腫瘤が突出し, その表面に毛が茂生していた. 病理組織学的には肺内原発の奇形腫(皮様嚢腫)であり, 悪性像は認められない. 術後経過は良好であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺内奇形腫, 喀毛症, 血痰
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