アブストラクト(28巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈鉗子による術中上行大動脈解離の1症例
Subtitle : 症例
Authors : 杉村修一郎, 柿原理一郎, 桂川兼行, 岡本勝司, 渡辺浩次
Authors(kana) :
Organization : 豊橋市民病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 3
Page : 470-473
Year/Month : 1980 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 狭心痛を主訴とする57歳の男性に対し, 左前下行枝へ大動脈・冠動脈間バイパス造成術を施行した. 閉胸直後縦隔ドレーンより間歇的に大量出血をみたため再開胸したところ, 上行大動脈の一部に限局性の解離をみとめ, 解離の部位は術中大動脈部分遮断鉗子をかけた部位に一致していた. 解離部を中心に大動脈を横切開し, 大動脈壁の内・外よりテフロンフエルト片をあてて解離腔を閉鎖し, 大動脈を再縫合した. 大動脈鉗子による術中大動脈解離の報告例について検討し, 本合併症の成因, 処置, 予防法等について考察を加えた. 心臓手術中の大動脈解離は, 発生頻度は低いが重大な合併症であり, そのほとんどは体外循環に関連したもので, ことに大腿動脈よりの送血による逆行性解離が多い. しかし上行大動脈よりの送血にともなうカニューレ挿入部位よりの順行性解離, あるいは各種大動脈鉗子の使用による大動脈内膜の損傷と, それに起因する解離も時に報告されている..
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈解離, 大動脈鉗子, 大動脈損傷
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