アブストラクト(28巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ファロー四徴症根治手術成績に関する因子の検討-とくに右心室造影, 左心室造影, 右室拍動図の意義について-
Subtitle : 原著
Authors : 小林剛一, 泉雄勝
Authors(kana) :
Organization : 群馬大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 6
Page : 1002-1014
Year/Month : 1980 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ファロー四徴症根治手術成積は, さまざまな因子の影響をうけているが, 従来よりチアノーゼの程度(Hb量), 大動脈騎乗の程度, 肺動脈本幹・大動脈直径比(PA/AO比), VSDの位置と大きさ, 右室流出路の形態, 年齢, 合併奇形の有無などが, 成績を左右する主な因子として検討されてきた. 著者は, これらに加え, 末梢肺動脈の意義として, 末梢肺動脈・大動脈直径比(Ps/Ao比)を検討するとともに, 左室容積指数(LVEDVI), 左室駆出率(LVEF)を測定して, 左心機能の影響をあわせ検討し, これらが根治手術の予後を判定する有用な因子であることを確認した. また術後遠隔期に, 左, 右AGを行い, PA/AO比, Ps/Ao比, LVEDVI, LIVEFの推移を調べたところ, PA/AO比, Ps/Ao比は明らかに増加しており, LVEDVI, LVEFは軽度の増加を示した. また従来より, 手術成績を左右する重要な因子として術中に測定した右室・左室収縮期圧比(RV/LV比)があげられ, これが0.75以上あると予後が悪いといわれているが, 著者もこれを追試したところ, 0.5以下に下降するものは, 予後は勿論良好であるが, たとえ手術時に0.75以上あっても, 遠隔期においては下降することを確認した. さらに遠隔期の血行動態をfollow upする非観血的方法として, 右室拍動図は, 簡便かつ有用であり, 右室膨隆比(O/I比)が1.0以下のものは, 右室内圧が50mmHg以下に低下していることが示された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : PA/AO比, Ps/Ao比, LVEDVI, LVEF, 右室拍動図
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