Authors : |
正岡昭, 前田昌純, 門田康正, 中原数也, 大嶋仙哉, 清家洋二, 中岡和哉, 谷岡恒雄, 篭谷勝己, 川島康生 |
Abstract : |
胸腺腫96例の予後と, 予後に関連すると考えられる因子について検討した. 全症例の予後は, 1年生存率84.3%, 3年77.1%, 5年74.1%, 10年57.1%であった. 手術術式別にみると, 全摘群5年生存率88.9%, 非全摘群44.4%であった. しかし, 亜全摘群では, 照射を行うことにより, 長期生存するものが多数みられた. 臨床病期では, I期は被膜に被包され, 組織学的に被膜浸潤のみられないもの, II期は被膜外脂肪組織あるいは胸膜への浸潤もしくは癒着がみとめられるか, 組織学的に被膜浸潤のみられるもの, III期は周囲臓器への浸潤のみられるもの, IVa期は胸膜もしくは心嚢内播種のみられるもの, IVb期は遠隔転移のあるものとしたが, 5年生存率はI期92.6%, II期85.7%, III期69.6%, IV期50%であった. MG(myasthenia gravis)合併症例と非合併例では, 5年生存率で差なく, 10年生存率でMG合併群が低値を示した. 全摘出後再発例は6例で, 3例はMG合併例であり, MG合併例は局所再発, 非合併例は胸腔内播種の形式により再発した. 亜全摘13例は, 術後照射を合併することにより, 7例の5年以上生存例がみられた. |