アブストラクト(28巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺動脈へ開口した冠動脈瘻-1治験例と本邦報告例の集計-
Subtitle : 症例
Authors : 高場利博, 山城元敏, 吉沢綱人, 舟波誠, 堀豪一, 石井淳一
Authors(kana) :
Organization : 昭和大学医学部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 7
Page : 1185-1190
Year/Month : 1980 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺動脈へ開口する冠動脈瘻は比較的少なく本邦においては調べえた範囲では19例の報告がある. われわれは心雑音の精査目的, 狭心痛を主訴とした51歳, 女性の本症を経験し, 体外循環下に流出部, 流入部の閉鎖を行い治癒せしめた. 集計しえた19例中誌上報告がなされ, 比較的詳細の明らかな15例についてみると, 右房, 右室に開口した例に比較して自覚症状を有している例が多いこと, 左冠動脈から起始した例が多いこと, 心雑音は連続性で聴取部位が限局していることなどの特徴が認められた. 本症では有症状例はもちろん, 無症状例でも加齢とともに症状の出現する傾向がみられ, 手術成績も良好であることから手術治療をまず考慮すべきであると考えるが, 手術法としては体外循環拍動下に流出部, 流入部を確実に閉鎖するのが最良の方法であろう. 冠動脈瘻は, 一般に冠動脈と心内への瘻であり, その特異な心雑音と逆行性動脈造影により, ほとんど確実に術前に診断される.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動脈幹に開口した冠動脈瘻, 狭心痛, 体外循環併用拍動下根治術, 流出口および流入口の閉鎖
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