アブストラクト(28巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 動脈管の開存を目的としたフォルマリン浸潤術による純型肺動脈閉鎖症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 永田真人, 服部淳, 高安俊介, 五味昭彦, 岡村吉隆, 田村英子*, 藤沢知雄*, 門間和夫**
Authors(kana) :
Organization : 関東逓信病院心臓血管外科, *関東逓信病院小児科, **東京女子医科大学心研小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 7
Page : 1191-1198
Year/Month : 1980 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 純型肺動脈閉鎖症の女児でPGE1の使用下に生後3日目心房間交通孔の拡大術と肺動脈弁切開術を行ったが, 術後もPGE1からの離脱が困難で, 生後5日目に動脈管の開存維持を目的とした動脈管壁のフォルマリン浸潤術を行い, チアノーゼの消失と著明な全身状態の改善を得た症例を経験した. 先天性チアノーゼ心疾患の中には本症を含め, 生後動脈管が自然閉鎖することにより肺血流量の減少または体血流量が減少し, 乳児期早期に死亡する予後不良の一群がある. このような動脈管依存型チアノーゼ心疾患に対する乳児期, 特に新生児期における一期的根治術や体-肺動脈短絡術の成績は必ずしも良好とはいえない. 本法(フォルマリン浸潤術)はこのような心疾患児が根治術可能な時期に発育するまでの姑息的治療法の1つになり得ると思われるので, 症例を報告するとともにPGE療法と本法の併用療法について述べる. 動脈管開存による短絡血により生命が維持されている先天性心疾患の新生児にとって, 動脈管の自然閉鎖は予後を悪くし, きわめて生命の危険が高い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 動脈管フォルマリン浸潤術, プロスタグランディンE, 純型肺動脈閉鎖症, 肺動脈弁切開術, 動脈管依存型チアノーゼ心疾患
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