アブストラクト(28巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 低体温法による乳幼児開心術後の脳神経障害ならびに精神身体発育に関する臨床的研究 第II編 低体温法による乳幼児開心根治手術後の遠隔期における精神身体発育の検討
Subtitle : 原著
Authors : 伊藤孝, 堀内藤吾
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部胸部外科学教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 8
Page : 1222-1228
Year/Month : 1980 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 重症心室中隔欠損症で, 乳幼児期に低体温法による開心根治手術を行った65例の児童を対象に, 平均8年6カ月の遠隔時における精神・身体発育状況の検討を行い次の結果を得た. (1)遠隔時, 脳障害, 知能遅延, 運動障害を呈した3例はいずれも術前より明らかな合併症を有していた. (2)術前, 約半数に著明な発育障害を認めたが, 遠隔時においては1例を除き全例正常な発育を示した. (3)遠隔時, 個別知能検査では, 集団知能検査で低値を示した3例を含め, 32例で正常範囲内であった. (4)手術時年齢, 循環遮断時間および最低体温と遠隔時知能指数とはいずれも相関関係は認められなかった. (5)低体温法に起因すると思われる異常行動, 性格変化は認められなかった. (6)全例で社会生活を営むうえで障害となる点は認められなかった. (7)以上より, エーテル深麻酔, 表面冷却, 冠潅流蘇生法による25℃-30分以内の循環遮断では, 遠隔時新たな精神・身体発育の障害を発生しないと結論できた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 低体温法, 乳幼児開心術, 集団知能指数, 個別知能指数, 身体発育
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