アブストラクト(28巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 連合弁膜症の外科治療-単弁放置例の臨床的検討-
Subtitle : 原著
Authors : 藤原直, 北村信夫, 沢渡和男, 橋本明政, 和田寿郎
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 9
Page : 1373-1378
Year/Month : 1980 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 連合弁膜症において一弁は弁置換術, 他弁は放置した症例49例を3群に分け, 放置弁病変の術後経過に与える影響について検討を行った. A群はAI+MIに対しAVRを行いMIを放置した症例19例, B群は主病変はMSあるいはMSIで副病変がAIの症例に対しMVRを行いAIを放置した20例, C群は主病変はMSあるいはMSIで副病変がTIの症例に対しMVRを行いTIを放置した10例である. 各群ともに術後急性期の血行動態の改善は十分に得ることができたが, A群では術前MI II°の症例で術後2年を経過して胸部X線上のCTRの上昇がみられた例があり, B群でも術前AI II°例や術後AI増加例でCTRの再上昇がみられ, ECGにてもLVHの増大がみられた. C群, TIを伴う僧帽弁弁膜症では評価が比較的難しいが, 術直後のCTRの改善が著明であるのに比して術後1年以降に再上昇をみる例が4例認められた. これらより, 放置弁病変の影響が遠隔期に緩徐にあらわれたものと考えられ, 主病変に対する弁置換術とともに副病変に対しても弁形成術などの外科的処置が必要である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 連合弁膜症の外科治療, 単弁放置例の遠隔成績, 連合弁膜症の血行動態, 弁置換術, 弁形成術
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