アブストラクト(28巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 細菌性心内膜炎による大動脈弁閉鎖不全に対する弁置換術後の再感染による弁輪部心室瘤の1例-瘤閉鎖による狭窄に対する左室流出路拡大術-
Subtitle : 症例
Authors : 稗方富蔵, 川田忠典, 岡田忠彦, 長田博昭, 野口輝彦
Authors(kana) :
Organization : 聖マリアンナ医科大学第3外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 9
Page : 1441-1447
Year/Month : 1980 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 細菌性心内膜炎による大動脈弁閉鎖不全に対し, 弁置換を行った1年後に再感染により大動脈弁閉鎖不全の再発をきたした症例に再手術を行った. 置換弁はほとんどはずれかけており, 弁輪部の全周にわたり深く侵蝕された組織欠損腔あり, とくに心室中隔内へ右室流出路に向って深く侵融されているとともに, 左房と大動脈の間から突出する心室瘤がみとめられた. 左室側と大動脈側にpledgetをおき, 上下から挾むようにして瘤および弁輪部の組織欠損腔を全周にわたって閉鎖を行ったところ, 左室流出路の狭窄をきたし, そのままでは弁の縫着が不可能となった. そこで大動脈切開を無冠洞に向って延長し, さらに弁輪を越えて僧帽弁前尖にまで切開し, 同時に左房壁も切開し, ここにパッチを縫着して弁輪を拡大し, 19mmの人工弁を縫着した. 大動脈には人工血管をパッチとして縫着した. 本症例においてみられた心内膜炎による心室瘤を伴う特異な形態変化についてのべるとともに, 左室流出路狭窄に対する拡大術について報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 細菌性心内膜炎, 大動脈弁閉鎖不全, 心室瘤, 左室流出路拡大術
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