| Authors ： |
大橋博和, 宮本巍, 清水幸宏, 小澤正澄, 末広茂文, 三輪智久, 山下克彦, 小川信行, 岡本英三 |
| Abstract ： |
二次孔型心房中隔欠損症の術前症例43例, 術後症例21例に対し心臓カテーテル検査, 左心室造影を施行して, 左心室拡張末期容量係数(LVEDVI), 1回拍出量係数(SI), 駆出率(EF), 左心室1回仕事量係数(LVSWI), Contractility Index (Cont.I)を求め, 正常群26例と比較検討して以下の結果が得られた. (1)Qp/Qs<2の症例では年齢に関係なく左心機能は良好に保たれていた. (2)Qp/Qs≧2で30歳未満の症例では, SIのみ有意に(p<0.05)低下していたが, 術後は正常域に復した. (3)QP/Qs≧2で30歳以上の症例では, LVEDVI, SI, LVSWIの有意な(p<0.01)低下があり, 術後もSI, LVSWIは正常域に復さなかった. (4)30歳以上症例でQp/QsとLVEDVI, SI, LVSWIとの間に負の相関がみられた. (5)Qp/Qs≧2の症例で, 年齢とLVSWIとの間に負の相関がみられた. (6)術後症例で, 年齢とSI, LVSWIとの間に負の相関がみられた. (7)30歳未満, 30歳以上群とも, 術後においてLVEDVIの増加に伴い, EF, Cont.Iの悪化がみられ, 術前後のLVEDVIの変化分とEFの変化分, Cont.Iの変化分との間にそれぞれ負の相関がみられ, 術後の左心不全の原因と考えられた. |
