アブストラクト(28巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 青年期の総肺静脈還流異常症の3例
Subtitle : 症例
Authors : 鬼頭修平, 竹内栄二, 椙山直敏, 野垣英逸, 田中稔, 村瀬允也, 清水健, 土岡弘通, 弥政洋太郎
Authors(kana) :
Organization : 名古屋大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 10
Page : 1548-1557
Year/Month : 1980 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 総肺静脈還流異常症はきわめて予後不良の疾患で, 乳児期に重篤な心不全に陥りやすく, 症例の80%が1歳未満で死亡すると言われ, 青年になるまで重篤な心不全を呈さずに経過するものは稀である. われわれは19歳, 17歳, 20歳の総肺静脈還流異常症を経験した. Darling Ia型が2例, IV(I+II)型が1例であった. わが国における16歳以上の総肺静脈還流異常症の手術報告例は, われわれの症例を含めて14例である. この14例を検討すると, 青年期以上まで生存できる原因として次のことが考えられる. 1)肺静脈還流障害のないこと. 2)肺血管抵抗が正常であること. 3)心房間交通路の大きさが充分であること. 4)肺動脈弁狭窄. これによる肺血流へのdampening effectは, 肺血管の閉塞性変化の進行を防止すると考えられる. 手術手技に関して, 青年期以上の総肺静脈還流異常症では, 左心系の低形成は考えにくいので, 左房を拡大する方法は無理に施行する必要はないと考えられる. .
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 総肺静脈還流異常症, 閉塞性肺血管病変, 肺静脈還流障害, 心房間交通
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