Title : |
心房中隔欠損を伴わない冠静脈洞への両側部分肺静脈還流異常症の2例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
岡良積, 藤田毅, 内藤泰顕, 小原邦義, 康義治, 安藤太三, 曲直部寿夫, 神谷哲郎*, 廣瀬修*, 谷本猛* |
Authors(kana) : |
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Organization : |
国立循環器病センター心臓血管外科, *国立循環器病センター小児科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
28 |
Number : |
10 |
Page : |
1570-1577 |
Year/Month : |
1980 / 10 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
両側肺由来の部分肺静脈還流異常症はまれな疾患であるが, なかでも両側がともに冠静脈洞に還流するものは極めてまれで, 本邦においては過去に1例しか報告されていない. 最近われわれは本症の2例を経験したので報告する. 症例1は1歳11ヵ月の女児で, 術前診断心房中隔欠損症(左右短絡率72%, 肺対体血流量比3.52)で手術したところ, 右全肺静脈と左下肺静脈が冠静脈洞に還流していた. 症例2は10ヵ月の女児で, 術前診断心房中隔欠損症と三心房心の合併の疑い(左右短絡率81%, 肺対体血流量比5.26)で手術したところ, 右下肺静脈と左全肺静脈がともに冠静脈洞に還流していた. 2例とも心房中隔欠損の合併はなく, 小さな卵円孔開存のみであった. いずれも心膜パッチによる中隔形成術を行い治癒させえた. 上記2例の報告とともに本症の発生頻度, 診断, 手術, 術後管理につき考察を加えた. はじめに 部分肺静脈還流異常症(以下PAPVCと略す)は先天性心疾患の中では比較的多い疾患であるが1)~4), 本症のほとんどは一側肺に由来する還流異常で, 両側肺由来のものは極めてまれである3)5)~7). |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
部分肺静脈還流異常症, 両側肺, 冠静脈洞還流, 心房中隔欠損症, 左心発育不全 |