アブストラクト(28巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 完全大血管転位症におけるMustard手術後の右室左室機能に関する研究-心室中隔の心機能におよぼす影響についての考察-
Subtitle : 原著
Authors : 島崎靖久, 森透, 宮本勝彦, 広瀬一, 奥田彰洋, 北村惣一郎, 中埜粛, 小川實*, 横田侃児**, 森本静夫**, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *大阪大学医学部小児科, **大阪大学医学部放射線科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 11
Page : 1618-1624
Year/Month : 1980 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Mustard手術後の完全大血管転位症I型8例, II型2例の計10例の術後遠隔期に血行動態および右室, 左室容積を検索し, 右室, 左室機能を検討し, 心室中隔と右室, 左室機能の関連について考察した. 右室拡張末期容積指数は65~157ml/m2であり, 平均は110±29.7(SDM)ml/m2, 左室拡張末期容積指数は29~96(64±19.5)ml/m2であり, 右室容積の方が有意に大きい値を示した(p<0.002). 右室駆出率は0.26~0.66(0.41±0.113), 左室駆出率は0.51~0.79(0.66±0.102)を示し, 右室のそれが有意に小さい値を示した(p<0.001). 左室/右室収縮期圧比と左室/右室拡張末期容積比との間にr=0.94, p<0.001の高い直線相関を認め. 左室圧が高いと左室容積が大きくなることを示した. また, 左室/右室収縮期圧比と右室駆出率の間にも, r=0.92, p<0.001の直線相関が認められた. これらのことは, 本症では左室圧が高いと心室中隔が正常に近く右室寄りに存在し, 左室容積が大きいことを示しており, 心室中隔が右室寄りに存在することが右室ポンプ機能を良好にすることを示した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 完全大血管転位症, 左室右室容積比, 左室右室収縮期圧比, 右室左室機能, 心室中隔の偏位
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