アブストラクト(28巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 川崎病に基因する僧帽弁閉鎖不全症外科的治験例とその適応に関する考察
Subtitle : 症例
Authors : 北村惣一郎, 森透, 中埜粛, 賀来克彦, 井原勝彦, 河内寛治, 島崎靖久, 八木原俊克, 酒井敬, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 11
Page : 1704-1712
Year/Month : 1980 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 生後4ヵ月時川崎病(MCLS)に罹患, 約2年後にNYHA4度の心不全を生じた僧帽弁閉鎖不全症(MR)の2歳6ヵ月男子に手術を行った. 本例では右冠動脈基始部に石灰化を伴う瘤がみられ, その部で完全閉塞し下壁梗塞を生じていた. MRは高度(4/4)で左室, 左房の著しい拡大, 肺高血圧症, 左右心室拡張末期圧上昇を示し両心不全を呈していた. 手術は27mmハンコック弁を用いて僧帽弁置換術を行った. 閉塞している右冠動脈の再建は不可能であった. 術後心陰影は縮少し, 拡張末期圧は低下, 心拍出量は増加しNYHA1度に近い状態にまで回復した. しかし術後4ヵ月目に行った検査では臨床所見からは予測できなかった肺高血圧症の残存と低左室機能状態がみられた. この低左室機能状態は心電図上の下壁梗塞から予測されるものよりはるかに高度でび漫性の収縮不全を伴っており, 心筋梗塞に加えてび漫性の心筋線維化による二次性心筋症の併発が考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 川崎病, 心筋梗塞, 僧帽弁閉鎖不全症, 乳頭筋機能不全症, 弁置換術
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