Authors : |
坪田紀明, 河野富雄, 神村和仁, 千原久幸, 松森正之, 岡田昌義, 小川恭一, 中村和夫, 古賀昭夫*, 石井昇*, 吉江哲郎**, 白川勝**, 橋本兼太郎***, 麻田栄**** |
Abstract : |
本術式(気管支6, 気管1)の行われた7症例と欧米の8施設に対して行われたアンケートの結果を分析し, 主として吻合法につき検討を加えた. 7症例のうち2例にはナイロン糸による粘膜下縫合, 5例にはデキソンおよびテフデックによる全層縫合が用いられたが5年から1年を経た現在, 吻合状態, 術後経過は良好で, 吻合方法, 縫合材料による差は少なかった. 私どもは, 従来, 粘膜下縫合を用いていたが, 全層縫合にても良好な結果を得たことから全層縫合による吻合の容易さおよびそれによって生じる吻合時間の短縮, 確実さを十分に評価し, 本吻合法を有用視している. また良好な吻合状態を得るには断端の血行保持が最も重要であると考え, 気管形成では過剰な剥離を行わず, 気管両側方下面より入る栄養血管を温存し, 気管支形成では肺実質より露出する末梢側気管支断端を可及的に短くするよう努めている. 欧米の8施設Hospital D.Yverdon(Dr.Naef), Baylor Univ.(Dr.Paulson), Masschusetts General Hospital(Dr.Grillo), Mayo Clinic(Dr.Payne), Presbyterian-St.Lukes Hospital(Dr.Jensik), Toronto General Hospital(Dr.Pearson), Stanford Univ.(Dr.Mark), Memoria Sloan Kettering Cancer Center(Dr.Bains)から寄せられたquestionnaireの結果によれば, 縫合材料にはcatgut, Dexon, wire, Mersilene, Vicryl, Tevdexが用いられ, 吻合は全層縫合にて行われていた. |