Title : |
著明な石灰化を伴った慢性解離性大動脈瘤に対する手術経験 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
岡良積, 中島伸之, 富野哲夫, 足立郁夫, 藤井尚文, 藤田毅, 呉聡栄*, 由谷親夫* |
Authors(kana) : |
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Organization : |
国立循環器病センター心臓血管外科, *国立循環器病センター病理 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
28 |
Number : |
11 |
Page : |
1741-1749 |
Year/Month : |
1980 / 11 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
動脈硬化性大動脈瘤壁の石灰化はしばしばみられるが, 解離性大動脈瘤壁がレ線上著明な石灰化像を呈することはまれである. 症例は58歳女性, 8年前に左胸部に異常陰影を指摘されていたが, 症状なきため放置していた. 今回左背部痛出現のため入院したが, 胸部単純レ線で左後縦隔に, その辺縁に著明な石灰化を伴った手拳大の腫瘤陰影を認めた. 大動脈造影で嚢状の動脈硬化性胸部下行大動脈瘤と診断し手術を施行したところ, 解離性大動脈瘤と判明した. また本症例は動脈瘤の発生部位, 形態などにおいて特異な点に富んでいた. あわせて解離性大動脈瘤のレ線診断, 手術術式について考察を加えた. 解離性大動脈瘤は急激に発症し, 激烈な症状を呈して急速に不幸の転帰をとることが多く, その予後は極めて悪い疾患である1)2). しかし中には発症に際し何ら症状を呈さないものや3)~6), 幾年にもわたって慢性に経過するものもあり1)5)~10), その症状および経過は多様である. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
解離性大動脈瘤, 慢性解離, 石灰化陰影, fenestration, 遺残解離腔 |