アブストラクト(28巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Glucagonの心筋代謝並びに血行動態におよぼす影響(II)Insulin動態からみたGlucagonの心筋陽性変力作用機序に関する検討
Subtitle : 原著
Authors : 山田崇之, 金子博, 今関隆雄, 松永祐司, 坂本徹, 浅野献一
Authors(kana) :
Organization : 東京医科歯科大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 12
Page : 1866-1873
Year/Month : 1980 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術後急性期の11症例にglucagon 15mg/hrを投与し, 投与後の冠状静脈洞PcsCO2推移からI群(n=5)PcsCO2≧50mmHg, II群(n=6)PcsCO2<50mmHgに分類し, 血行動態並びに心筋代謝におよぼす影響を検討した. I群ではglucagon投与後, PcsCO2, 動脈血insulin値, 心筋乳酸摂取率, 心筋ピルビン酸摂取率が投与前値に比して有意に改善し, またII群に比較しても有意改善がみられた. 血行動態面でもII群は不変であったのに対し, I群では心係数, 1回心拍出係数の有意増加がみられた. 代謝および血行動態面の改善を反映して, I群においては動脈血乳酸値, ピルビン酸値, 動脈血K低下並びに心筋K摂取はII群に比し大であった. 血行動態および心筋代謝の検索から, glucagonの陽性変力作用はadenyl-cyclase, cyclic-AMP増加によるとする説も完全に否定しえないが, 2次的に分泌されたinsulinによる心筋代謝改善も血行動態改善をもたらすとの結論に達した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Glucagon, Insulin, 陽性変力作用, 冠状静脈洞PcsCO2, 心筋代謝
このページの一番上へ