アブストラクト(28巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道憩室を伴う成人の先天性食道気管支瘻の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 矢島謙志, 土井修, 鍋島秀雄, 岡本信洋, 寺沢敏夫, 建石竜平*
Authors(kana) :
Organization : 大阪府立成人病センター外科, *大阪府立成人病センター病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 12
Page : 1874-1881
Year/Month : 1980 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 悪性腫瘍による後天性食道気管支瘻はまれではないが, 先天性食道支瘻の報告はいまだ少ない. とくに成人の食道憩室を伴う先天性食道気管支瘻(Braimbridge I型)は本邦でこれまで4例の報告をみるにすぎない. われわれは最近本症と考えられる1例を経験し, 外科的に治癒せしめたので症例を提示し, 若干の文献的考察を加えた. 症例は51歳の女性. 小児期より咳嗽発作がつづき, とくに酸味のある食事で著明であった. 最近易疲労感が持続し精査のため受診した. 胸部レ線像で右下肺野に小斑状の陰影を認め慢性気管支炎の像を示し, 食道透視で中部食道に憩室を認め, さらに右B6気管支に造影剤が流入, 食道気管支瘻と診断された. 食道内視鏡で中部食道右壁, 気管支鏡で右B6a, B6b+c分岐部に瘻管開口部を認めた. 開胸すると中部食道と右B6亜区域気管支との間に1.2cm×1.0cm(食道側), 0.6cm(肺側)の瘻管があり, 周囲には炎症, 癒着, リンパ節腫大なく瘻管切除は容易であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性食道気管支瘻, 食道憩室, Braimbridge I型
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