アブストラクト(28巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 並列心耳とDouble conusを合併する三尖弁閉鎖症の機能的根治手術成功例
Subtitle : 症例
Authors : 福田豊紀, 大蔵幹彦, 小柳博靖, 小田豊, 鈴木玄一*, 今村洋二**
Authors(kana) :
Organization : 都立清瀬小児病院心臓血管外科, *都立清瀬小児病院麻酔科, **慶応義塾大学医学部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 12
Page : 1894-1900
Year/Month : 1980 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 並列心耳とDouble conusを伴うTandon&Edwards分類Type II Bb(Keith分類Type II b)の三尖弁閉鎖症の1例に右心耳-肺動脈直接吻合による機能的根治手術を行った. 術後第2病日に乏尿となり急性腎不全をきたしたが, 血液透析施行後に尿量が増加し腎機能の回復がえられた. 術後50日目に行った右心カテーテル検査で, 右房の中間圧は25mmnHgであり肺動脈との間に圧差を認めなかった. 右房造影では肺動脈への流れはスムースであったが, 99mTc-MAAによる肺血流測定では左肺に比して右肺の血流は明らかに減少していた. 本症例では肺動脈側吻合を分岐部から左肺動脈にかけて行ったが, 術後の肺血流分布が左右差を示したことから, 本術式では両側の肺動脈にまたがった吻合口を作る必要があると思われる. 並列心耳を示す症例の多くは複雑心奇形を合併しているが, なかでも大血管転位と肺動脈弁狭窄を伴った三尖弁閉鎖症が多く, その70~80%はDouble conusを示すとされている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 三尖弁閉鎖症, 並列心耳, Double conus, 開心術後急性腎不全, 血液透析
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