アブストラクト(28巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管環状分節切除による腺様嚢胞癌の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 川村一彦, 山手昇, 田中茂夫, 松島伸治, 鈴木敏克, 浅野哲雄, 庄司佑
Authors(kana) :
Organization : 日本医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 28
Number : 12
Page : 1908-1914
Year/Month : 1980 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 31歳の男子で呼吸困難, 喘息様咳嗽, 血痰を来した腺様嚢胞癌に対して, 気管環状分節切除を行った経験を報告した. また病理学的所見を光顕, 電顕にて検討を加え気管腫瘍の治療に若干の考察を加えた. 気管の腫瘍を含めて4cmの長さに環状切除を施行した. 最近, 胸腔内気管外科は急速に進歩してきたが, 気管腫瘍は臨床的に遭遇する機会の少ない疾患であり, 気道狭窄のため重篤な呼吸困難を認める. 1952年Clagett1)が気管管状切除, 端々吻合を施行して以来, Mathey(1966年)2)の9例の報告があるがさほど多くなく, 本邦においても少数例の報告しか見られない3). 縦隔内気管の腺様嚢胞癌の発生頻度は低く発育が緩慢である. われわれは最近, 縦隔内気管の膜様嚢胞癌を一側気管支内麻酔で腫瘍部気管を約4cm管状切除し端々吻合した症例を経験したので, 病理学的検索を加えるとともに気管腫瘍の治療に文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 腺様嚢胞癌, 気管環状分節切除, 気管再建法
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