アブストラクト(29巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心タンポナーデを来した悪性胸腺腫の1例
Subtitle :
Authors : 森文樹, 宮本正樹, 中原泰生, 古川昭一, 藤井康宏, 毛利平
Authors(kana) :
Organization : 山口大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 1
Page : 103-108
Year/Month : 1981 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 悪性胸腺腫の心膜転移によって著明な心嚢液貯留による心タンポナーデを来した稀な症例を経験した. 58歳の男性で呼吸困難を主訴とし, 他医にて長らく原因不明の心嚢炎の診断で加療中であったが, 心タンポナーデ症状を呈し頻回の心嚢穿刺を要した. 断層心エコー検査にて心嚢内に多発性の腫瘤エコー像を認め, 試験開胸により悪性胸腺腫の心膜転移であることが判明した. 悪性腫瘍の心転移は致命的な合併症であるが, われわれは心膜円窓術により心タンポナーデを寛解せしめ, 患者の延命を期することができた. 悪性腫瘍の心血管系への転移浸潤は, 化学療法や放射線療法の発達によって根治不能な悪性疾患患者の延命が期待できる今日においてもなお, 急死を惹起する重篤な合併症である. 近年, 悪性腫瘍の治療成績の向上に伴い, 患者の延命が結果的に腫瘍の心転移頻度を増加させているという 1). ちなみにDeLoach 2)の報告では悪性腫瘍の心転移は13.9%(980例中137例)であった. しかし心転移を早期に診断し適切な治療を行うことは困難なことが多い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 悪性胸腺腫, 心タンポナーデ, 心膜開窓術
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