アブストラクト(29巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 単冠状動脈を合併した両大血管右室起始症の4例
Subtitle :
Authors : 城間賢二, 須磨幸蔵, 竹内靖夫, 辻隆之, 井上健治, 小山雄二, 吉川哲夫, 成味純, 伊藤信行, 小林洋, 浅井利夫*, 草川三治*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学第二病院循環器外科, *東京女子医科大学第二病院小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 1
Page : 118-124
Year/Month : 1981 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 複合心奇型における冠状動脈異常は, その損傷により重大な結果をもたらすことがある. 教室ではそれを避けるため, チアノーゼ性心疾患には積極的に術前の冠状動脈造影を行ってきた. その結果4例の両大血管右室起始症に合併した単冠状動脈を発見したので報告する. 症例1は28歳男性, PSを伴ったILLのDORV, 単冠状動脈であることを把握していたことから, 手術は右室流出路を横切る右冠状動脈の損傷を避けるため, 弁付人工血管を使用した. 症例2は24歳の女性でPSを伴ったSLLのDORVで肺動脈狭窄は肺動脈弁と弁輪部を切開し, 冠状動脈を剥離, 挙上してその下に心膜パッチをあてて拡大した. 症例3は9歳女児でPHを伴ったDORVで上下心室構造を示した. 単冠動脈は大動脈造影で発見したが肺血管抵抗が高いため手術適応から除外した. 症例4は1歳の男児でPSを伴ったSDDのDORVで呼吸不全のため死亡した. 剖検にて単冠状動脈であることが発見された. 単冠状動脈は稀な奇型であるが, われわれの2例の手術例は術前に診断されていることから, 術中に異常冠状動脈を損傷することなく容易に行われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 単冠状動脈, 両大血管右室起始症, 異常冠状動脈, 術前冠状動脈造影
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