アブストラクト(29巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児にみられた遠隔期三尖弁位Hancock弁石灰化例
Subtitle :
Authors : 角秀秋, 田中二郎, 安井久喬, 徳永皓一, 石橋達朗*
Authors(kana) :
Organization : 九州大学医学部心臓外科, *九州大学医学部第一病理学教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 1
Page : 131-136
Year/Month : 1981 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 12歳男児でHancock弁による三尖弁置換術後約3年で著明な石灰化による三尖弁狭窄症状を来し, 高度心不全のため術後3年6ヵ月で再弁置換術を余儀なくされた症例について報告した. 摘出されたHancock弁は癒合, 石灰化が著しく, 病理組織上コラーゲン組織の膨化, 著明な石灰沈着, 線維性結合組織の増生を認めた. 最近, 小児例において遠隔期の異種生体弁石灰化の好発が報告され, 小児の代謝系, 免疫反応の特殊性から, その発生要因が論じられているが, いまだ不明な点も多い. しかしながら, 小児弁置換例, ことに三尖弁置換例では, 厳格な抗凝固療法の管理を要する機械弁より, 血栓形成の頻度の少ない生体弁がなおその有用性を保っているものと思われる. glutaraldehyde処理異種生体弁は, 術直後から良好な血行動態が得られること, 血栓形成の頻度が少ないことから多くの施設で使用されているが, 現在まで約8年におよぶ長期成績が示され 1)~8), 心配された耐久性もほぼ満足いくものであると考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Hancock弁置換術小児例, 石灰化, 三尖弁置換術
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