アブストラクト(29巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁狭窄症における右室機能に関する研究
Subtitle :
Authors : 島崎靖久, 森透**, 中埜粛, 大山朝賢, 北村惣一郎, 広瀬一, 井原勝彦, 河内寛治, 佐藤重夫, 酒井敬, 榊原哲夫, 小川實, 横田侃児*, 森本静夫*, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *大阪大学医学部放射線科, **鳥取大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 2
Page : 159-165
Year/Month : 1981 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 僧帽弁狭窄症の連続せる15例に右室造影検査, 心臓カテーテル検査を施行し, 右室容積を求め, 右室機能を検討した. 右室拡張末期容積指数(RVEDVI)は79~130ml/m2であり, その平均値は103±4.1ml/m2(平均値±標準誤差)であった. 右室駆出率(RVEF)は0.33~0.69(0.50±0.024)であった. 色素希釈法で求めた心係数は1.61~4.40(2.55±0.205)l/min/m2であり, 心係数とRVEFとの間にr=0.85, p<0.001の高い直線相関が認められた. すなわち, 右室駆出率が高値を示す例では心係数も高値であった. 右室収縮期圧は26~94(49.5±4.74)mmHgであったが, これと右室駆出率との間には相関は認められなかった. 15例中14例(93%)に三尖弁の逆流を認めたが, その程度をSellersらの僧帽弁逆流度分類に従い4度に分けると, I度のもの5例, 2度8例, 3度1例であった. これが1度以下と2度以上例との間には右室拡張末期容積指数, 心係数, 右室駆出率において有意の差は認められなかった. これまでに僧帽弁に手術を受けたことのある再発例が6例含まれているが, これらの心係数は2.04±0.175l/min/m2, 右室駆出率は0.44±0.030と非再発例のそれぞれ2.88±0.271l/min/M2, 0.54±0.027に比して有意に低値であった(ともにP<0.05).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁狭窄症, 右室容積, 右室機能, 三尖弁逆流, 再手術
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