アブストラクト(29巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術後低心拍出量症候群に対するDopamine, Nitroglycerin併用療法について
Subtitle :
Authors : 大平政人, 麻柄達夫, 向井恵一, 岩喬, 森清男*, 能登佐**
Authors(kana) :
Organization : 金沢大学医学部第1外科, *石川県立中央病院循環器内科, **石川県立中央病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 2
Page : 166-172
Year/Month : 1981 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : カテコールアミンの一種であるDopamineに加え, 血管拡張剤であるニトログリセリン軟膏(NTG軟膏)の併用療法を, 開心術後のLOSに対し使用した. 開心術後の20例に対し, 肺動脈楔入圧(PCWP)の高低により2群に分け, PCWP低値群をI群, PCWP高値群をII群とし, その血行動態を検討した. Dopamineの投与量は5~15r/kg/minで, NTC軟膏は通常24mgを用い, II群のうちLOSを示した8例に対してはDopamine+NTG軟膏の併用療法を行った. その結果, 心拍数では変化なく, Double productは30分後, 平均動脈圧では60分後まで有意に低下し, RA圧, PCWP, 肺血管低抗などの前負荷を示す指標は60分から120分後まで有意に低下し, 後負荷を示す体血管低抗では180分後まで有意の減少を示した. 一方, 左室一回仕事係数は有意の変化がみられなかったが, 心係数では30分後まで有意に増加した. すなわちこの併用療法は前負荷, 後負荷の軽減作用が大であり, PCWPが高値を示す開心術後のLOSにとって有用な方法と思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : LOS, Dopamine, Vasodilator therapy, Nitroglycerin(NTG)軟膏, Dopamine+NTG軟膏併用療法
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