アブストラクト(29巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心筋梗塞後心室瘤に対する外科的治療の長期予後 残部心室機能との比較
Subtitle :
Authors : 石倉義弥, 小田桐重遠, 木曽一誠*, 林郁夫*
Authors(kana) :
Organization : 産業医科大学第2外科, *済生会宇都宮病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 3
Page : 373-379
Year/Month : 1981 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : われわれは14例の心室瘤症例に対し心室瘤切除のみ7例, 同時A-C bypass術を7例に行った. 手術死亡は1例7%で, 遠隔期死亡は1例7.7%, 術後32ヵ月から96ヵ月(平均69.9ヵ月)のfollow-upで3例の再発を見, 1例はA-C bypass術を行い良好であるが, 他の2例は新しく心筋梗塞を生じた. これら症例以外はすべてNYHA分類でI度に改善され, 運動能も改善され良好な成績を示している. 心室瘤の予後を決定する大きな因子は, 心室瘤を除いた残部心室機能のいかんである. 残部心室EFが0.5以上のものは心不全も軽度で術後の症状, 運動能の改善が良好であるが, 0.5以下の症例は不良のものが多く, 短軸平均短縮率も良好なもの程予後が良い. この残部心室を最良の状態にするため, 心筋保護法, 心室瘤切除範囲を考慮し, 冠動脈完全血行再建を心がけると同時に, risk factorである高血圧, 糖尿, 高脂血症などの管理により再発予防を心掛けねばならないと考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心筋梗塞後心室瘤, 心室瘤切除, 長期予後, A-C bypass術, 残部心室機能
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